
予想外の天候に路面判断が難航!
ケン・グシ選手悲願の初優勝、そして大湯選手の初参戦ながらも見せた堂々たる追走バトルに湧いた富士スピードウェイ開幕戦。そこから約ひと月の期間を開けて、鈴鹿ツインサーキットでのFDJ第2戦が始まることとなります。

金曜日の公式練習初日、昼間は半袖でも過ごしやすさを感じる快晴での幕開けとなりました。ところが、週末の天気予報は予選の始まる翌日からずっと雨が続く予報。水はけもそれほど良くない鈴鹿ツインではウェット路面でのミューも特別低くなることが想定され、貴重な練習走行の本数をウェットでなくドライ環境下で消化してしまうべきなのか…。午前中の走行を様子見にまわるチームがほとんどで、ケン・グシ選手も同様の動き出しとなりました。

午後になると、ケン・グシ選手が準備を進めるのと同時にピットにいるスタッフも少しずつ熱を帯びていきます。そして満を持してケン・グシ選手がコースイン。富士から続くIS500の感触の良さを確かめるがごとく、1本ずつを噛みしめるように定められたうちの約半数の練習走行を消化しました。

土曜日の朝、予報通りの雨のなかでの練習になるかと思いきや、その場に居合わせた全員の期待を裏切る、午前中には一切雨の降らないドライ路面での練習走行を全チームが強いられることとなってしまいます。

一方で、午後からの雲の流れは完全な雨予報。本番のヘビーウェット路面を想定したセットアップができない状況で練習走行を走り切るも条件は全チームが同じということもあり、IS500とレインコンディションには一日の長のあるケン・グシ選手には少なからず余裕が見られていたのも事実でした。

得意なウェットを味方に2位へ!
単走予選の開始時刻が迫るにつれて雨脚はどんどん強くなっていき、1巡目の走行が始まるころには路面はヘビーウェットとなっていました。事前の公式通知通り、どの選手も練習機会がないまま迎える雨のぶっつけ本番は危険という理由から、走行前に1本に限りチェックランを行える特例措置が取られ、予選が進行していきます。
シリーズランク1位のケン・グシ選手が大トリに走行順を控えるなか、下位選手を中心に軒並みスピンやコースアウトが連発し、上位陣にもミスが見られるほどの難しい路面ということが伝わってきます。
そして最後に始まるケン・グシ選手の予選1本目のドリフト。大きなフェイントからサイドを長く引きつつも深いアングルを保ったままゾーン1、ゾーン2をクリア。振り返してゾーン3の進入で失速するミスがあるもドリフトはキープし続けて続くタッチアンドゴー、ゾーン4を抜けていきます。途中のミスによって高得点とはならなかったものの、この時点でほぼ予選通過が約束される77ポイントを獲得したことで、余裕を持って2本目の走行へ挑むことができるようになりました。

2本目はゾーン3のミスの修正、そしてタッチアンドゴーでタイヤを2本外に残すアウトラインの意識が課題だったと話すケン・グシ選手。一方で雨は遠方が霞んで見えるほどの予選で最も強い雨量というタイミングと重なり、観客・チームも固唾をのんでケン・グシ選手による予選のラストランを見守ることとなりました。
すると1本目よりもゾーン1へ勢いのある深い角度での飛び込みを見せたケン・グシ選手。ドライブする本人もやり過ぎてスピンするかと焦ったと振り返るなか、アドバンネオバAD09のタイヤグリップとトラクションを限界まで活かしきってゾーン2を高いスピードのままクリア。ゾーン3から4にかけても課題としていた角度をしっかりとキープした見事なドリフトを披露します。
この走りはライン、アングル、スタイルいずれもこの路面での理論値とも言える得点となり、合計89ポイントを獲得。点数は高橋選手が1本目に見せた走りとの同率1位となりますが、セカンドベストのスコア比較でケン・グシ選手77ポイント、高橋選手83ポイントと相手が上回ったことで、ケン・グシ選手は惜しくも2位というポジションへ。それでも本人が得意としている雨での強さを示すには十分な内容だったと言えるでしょう。

Qualifying Result Pos.2
JUDGE SCORE 1st Run
LINE 25
ANGLE 26
STYLE 26
TOTAL 77 POINTS
JUDGE SCORE 2nd RUN
LINE 31
ANGLE 30
STYLE 28
TOTAL 89 POINT

ハーフウェットを見事に走りきる!
TOP 32 BATTLE vs. 田中友紀(CHACER JZX100)
目まぐるしく変わる天気に翻弄されることとなった3日間。日曜日は早朝までの豪雨が止み、ハーフウェットの練習走行からトーナメントが始まる時点では完全ドライコンディションでのスタートとなりました。
トップ32のバトルの相手はベテランの田中選手ですが、ケン・グシ選手とIS500のポテンシャルを出し切れば順当な勝ち上がりが予想できる組み合わせとなりました。そしてラダー表で後半の一組目となったこの勝負、勝敗を分けたのはその直前にペンキによって厚く書き直されたゾーンを示す路面のマーキングでした。
先に影響を受けたのは先行のケン・グシ選手のほうです。大きく乗ったマーキングの影響でゾーン1、2にかけてグリップを失うもギリギリでコントロールを保ち、タイヤ1本の飛び出しでキープ。対する田中選手はゾーン3の入り口でマーキングを踏んだ結果ハーフスピンし、大きなアドバンテージがケン・グシ選手へ。
入れ替えの後追いでは車速の違いによって行き場が苦しくなる場面があるも、最初から最後まで接近したポジションを崩さなかったケン・グシ選手が先行後追いどちらの立場でも高い技術を見せてトップ32勝利となりました。

迫真の後追いでグレイト8進出!
TOP 16 BATTLE vs. 松井有紀夫(BMW F22)
続くトップ16はBMWをドライブする松井選手となり、ケン・グシ選手先行でバトルがスタート。勢いのあるアプローチから大きな振り出しをするケン・グシ選手に対して、そのタイミングを掴んだ松井選手も互角の走りでゾーン1へ進入。しかし、そこからゾーン2、3へ向けて松井選手のラインが小さくなったことが審査の減点とされる一方、ケン・グシ選手は先行として見事な走りを見せました。
後追いになるとケン・グシ選手は松井選手の先行に合わせ、途中軽い接触があるほどのドアトゥドアの接近戦を披露。そして、1本目の先行の走りの完成度の高さが評価され、ケン・グシ選手はグレイト8へ勝ち上がります。

追い込まれたケン・グシのミスが響く!
GREAT 8 BATTLE vs. 箕輪大也(GR COROLLA)
開幕戦富士での決勝戦の再現となるカードが2戦目にして早くも訪れました。ここでもグレイト8の組み合わせでなく、実質決勝戦のつもりで挑んだというケン・グシ選手は気合いの入った先行の走りをします。
早めのフェイントから大きく角度をつけてゾーン1へアプローチし、素早く加速しながらゾーン2を抜けゾーン3へも完璧なラインでクリアしていきました。しかし、箕輪選手の後追いの完成度は互角以上で、後追いながらも先行車へプレッシャーを与え続けるようなタイヤがソフトタッチするほどギリギリなドリフトを披露。ケン・グシ選手が追い詰められた状況で前後の入れ替えとなります。
後追いではゾーン1への進入で遅れる態勢となったケン・グシ選手でしたが、ゾーン2にかけては修正し距離をビタビタに詰める互角の走り。しかし、前車との差を詰めようという意識が強くなりすぎたことでゾーン3がオーバースピードでの飛び込みとなりラインを逸脱してしまいます。これが勝敗を分ける致命的な差となり、箕輪選手が開幕戦のリベンジを果たす格好でケン・グシ選手を下しファイナル4へ。そのままラウンド優勝を決める快進撃を見せたのでした。
Tournament Result Pos.5
2025 FORMULA DRIFT JAPAN Point Ranking Pos.3

Driver comments
KEN GUSHI
「最後はスタートのミスが敗因です。そこからは追っかけモードになってゾーン3で脱輪…。今までめったにしなかったミスを大事な場面でやってしまって、非常に悔しいです。
今日は朝の練習走行でもミスでマシンをブツけてあまり走れず、それを引きずったままテンションを上げきれなかったのかもしれません。そんなときでも気持ちをサッと切り替えられるよう、これからシリーズを穫るための課題として次戦には克服したいと思います」
Manager comments
風間 俊治
「前戦の優勝からその流れをキープしたまま挑戦したつもりでいた第2戦でしたが、チームとしての内容は悪くなかったものの細部を詰め切ることができず、どこかで上手く行き過ぎた全戦の感覚を引きずっていたのかもしれません。
今回は天候の変化が良い方向にも悪い方向にも同時に作用した大会でした。全く雨の練習走行がないまま始まった予選のおかげで、経験豊富なケン・グシ選手が同率1位を獲得できたとも言えるし、他方で大湯選手はその経験不足がもろに悪影響となって予選敗退に繋がりました。ただ、勝負の世界ですので雨の経験不足を敗因にするのはこれきりに、次戦のエビスも雨が想定されるラウンドに向けた練習を急いで、大湯選手が雨を克服できる準備を進めていきたいと考えています。
そしてケン・グシ選手の最後の追走は箕輪選手を相手に絶対やってはいけない場面での失敗による敗北でした。ただ、レベルを考えるとそれだけギリギリの勝負に挑まないと勝てない対戦相手ということも分かります。マシンのコンディションもかなり良い状態を維持できていますので、次回同じ場面がやってきた時にまた全力で走れるよう、チームでサポートを続けていきます。
続くエビス西は昨年ケン・グシ選手が単走優勝をゲットしたコースです。ほかのメンバーにとっては難しい印象のコースとなるでしょうが、そこをケン・グシ選手からも積極的にアドバイスを心がけ引っ張ってもらい、チームを勝ちに導いてほしいと願っています」

performed by Team KAZAMA
[THE OTHER SIDE] FORMULA DRIFT JAPAN Round.2 大湯都史樹×GR86
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